つばめBHB 社員インタビュー①
新規性のある材料を開発し アンモニア合成技術を抜本的に変えたい
研究開発部門 触媒量産化セクション 屋伸哉氏
研究開発部門
東工大発のアンモニア合成技術『エレクトライド触媒』を用いた「次世代触媒の研究開発」と「商業化に向けた触媒量産化」を担っています。現在、第一世代触媒の量産化には目途を付け、事業としては初号機のアンモニア製造装置を上市いたしましたが、更なる事業拡大・コスト低減・性能アップ、並びに、東工大と連携をしながら、次世代触媒の研究開発を進めています。
▍まずはご自身のこれまでのご経歴について教えてください。
学生時代に有機合成化学を専攻し、卒業後は電子部品メーカーに新卒入社しました。そこでは化学材料を扱う部門で半導体材料の商品技術開発に5年半従事し、つばめBHBには2021年10月に中途入社しました。現在は研究開発部門の触媒量産化セクションに所属し、次世代触媒の量産化業務に従事しています。
▍転職を考えたきっかけについて教えてください。また、つばめBHBに入社しようと思った決め手は何だったのでしょうか。
前職は会社の規模自体は大きかったものの、化学材料に関しては原材料を製造する設備がなく、購入した資材を使って材料開発を進めていくスタイルだったため、お客様からご要望をいただいても開発の選択肢が限られてしまうもどかしさを感じていました。また、前職では自ら設計した材料を上市できたこともあり、新しい環境にチャレンジしたいと思い転職活動を始めました。
1.「独自性のある材料を扱っていること」,2.「仕事の幅を広げられる環境」の2つの軸で企業選びをしていた中でエージェントに紹介されたのがつばめBHBでした。
つばめBHBの存在自体は以前から知っていたものの、はじめは「経験を積んできた分野は違うのでは」と少し遠慮がちでした。しかし、触媒に限らず材料開発できる人を求めていたことに加え、研究室で発見した材料を社会実装し、大学の研究と実生活の架け橋となりうるつばめBHBのアンモニア合成に魅力を感じ、応募することにしました。
面接を受ける過程で驚いたのは、自分の学生時代の研究論文にまで目を通されていたことでした。自分が研究を進めるにあたって大切にしていることやその苦労も理解していただき、面接してくださった方の人となりや会社の雰囲気の良さも感じ「ここで働きたい」と入社を決めました。
▍現在の業務内容、ミッションについて教えてください。
ラボで発見した触媒を実際のプラントで使用できるような製法の確立をおこなっています。わかりやすく説明すると、ラボで作った数ミリgの触媒を数tスケールでも安定して製造できることを目指して日々業務を行っています。現在チームは7名ほどで、社外のベンダーの方とも協力しながら各工程のブラッシュアップをおこなっています。
また、量産化のほかにも、分析装置の導入にあたって選定にも携わり、より良い研究体制のためにラボのレイアウト変更も実施することをおこないました。製品づくりだけではなく、組織づくりにも主体的に関われることにやりがいを感じています。
▍これまでの仕事で印象に残ったプロジェクトについて教えてください。
工業用触媒の性能改善が印象に残っています。ある工程で触媒の性能がラボのものに比べて落ちてしまう事案がありました。そこで、製造現場に足を運び、これまでの作業工程や装置について細かくヒアリングしました。得られた情報から原因を分析して改善案を実行したところ、ラボと同等の性能を実現することができました。
入社前は触媒を扱ったことがない自分が仕事を進められるか不安もありましたが、現場での意見交換を大切にして原因分析し対策するという前職の経験が活かせたことは印象に残りました。
▍仕事のやりがい、おもしろさをどんなところに感じますか。
触媒はそれ自体が反応しない一方で、化学反応を劇的に進行させるという面白い材料です。触媒量産化においては材料の種類はもちろん、形状や作り方でも触媒性能が変わるので難しさもありますが、その分技術者として成長できることにもやりがいを感じます。様々なバックグラウンドの方と議論をしながら、一つの目標に向かって仕事を進めていくプロセスにおもしろさを感じます。
▍20代でベンチャーにチャレンジする意味とは?
年齢に関係なく個人に裁量を持たせてくれて、意思決定のスピードも早いので、自分の成長を感じられるのではないでしょうか。前職では会社内の人と仕事をすることがほとんどでしたが、現在は社外の企業や専門家と関わる機会が増え、これまでの常識が当たり前ではないこともあり視野が広がりました。
新卒の頃はベンチャーで働くのは「大変そう」、「リスクが大きそう」とただ漠然と思っていましたが、若いうちに多くの経験を積める環境に身を置くことができたのは良かったと入社して改めて感じました。
▍つばめBHBの会社の印象について教えてください。
大手企業出身が多く、さまざまなバックグラウンドや高い専門性を持つ“プロフェッショナル集団”という印象があります。それぞれがお互いに協力しながら自律的に仕事を進めていますが、入社後の研修やOJTの体制も整っていていたのも安心できましたし、上司や先輩社員も親身に相談に乗ってくれます。
▍入社して自分が変わった、成長したと感じるエピソードがあれば教えてください。
いちプレイヤー視点ではなく、組織としてどうありたいかを考えられるようになったと感じます。また、社内には学びの文化があり、周りでも継続して勉強に取り組まれている方が多いです。つばめBHBは業務に関係のある資格の補助を出してくれるので、入社してから2つほど資格を取らせて頂きました。まだまだ学ぶことはたくさんありますが、より広く深い知識を身につけて業務に役立てたいと考えています。
▍今後どんな人につばめBHBに加わってほしいですか?
社内外と連携する機会も多いため、業務の目的や意図を相手に伝え、理解してもらえるようなコミュニケーションは求められる仕事だと思います。また、突発的なことにも対応できるよう危機を察知できる能力を持っていたり、何事もマニュアル通りに進む仕事ではないので、先のことを予測しながらオープンマインドを持っていたりする方は活躍できる環境があるのではないでしょうか。
▍最後に、ご自身の今後の目標について教えてください。
最近では、私たちの事業がメディアに取り上げられる機会も増えましたが、足元にはまだまだ課題が山積しています。研究室で開発した材料を確かな形にして世の中に出していくためにも、まずは工程のスケールアップにしっかり取り組んでいきたいです。